お茶の博物館
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日本茶博物館

製茶

 緑茶は、茶摘みの後に生葉を蒸す、炒るなど熱を加えて酸化発酵を止めることにより緑色を保ちます。その後、揉捻と乾燥を繰り返す荒茶工程と荒茶の選別、乾燥、合組(ブレンド)などからなる仕上げ製茶工程を経て作られます。製茶には手揉み製茶と機械製茶があります。お茶を揉む目的は、茶葉に力を加え内部の組織、細胞膜を壊し、内容成分の溶出を容易にする為です。また外観を整え商品としての価値を高めることでもあります。明治時代に手揉み製茶法はいろいろな技法が考案され、また多くの流派が創始されました。その後、全国各地の技法の長所を取り入れて基準製法を策定したのが38年式製茶法です。これにより製茶法の基礎的な技法は定められました。

*手揉み製茶


蒸し

・茶葉を多量の蒸気で短時間のうちに蒸し、急速に冷却します。(30秒〜40秒)

下揉み

・葉振るい、回転摘み、玉解きの3つの操作があります。

・葉振るいでは葉と葉が重なり合わないように蒸し葉を平均に振るい落とします。

・ここで生葉の水分を80%程度にします。(30分〜50分)

・回転摘みでは茶の葉に適度な力を加えて回転揉みし、水分の発散を促す。

・始めを軽回転、終わりを重回転といいます。

・ここで水分を50%程度に減らします。(40分〜50分)

中上げ

・玉解きが終わったら、速やかに炉外にだし、冷まし、水分の均一化を図って仕上げ揉みをしやすくします。

仕上げ揉み

揉み切り、でんぐり揉み、こくり、があります。揉み切りでは茶に撚れ形をつけながら乾かす動作で手揉み製法中、もっとも技巧を要する手使いです。(30分〜40分)

・次にでんぐり揉みといって茶の形状を整え、特に針状に伸ばすことを目的とした動作です。(10分〜20分)

・こくりでは、さらに茶の形を整え、光沢を出させる最終段階の操作を行います。(10分〜20分)

乾燥

・茶を薄く散布し、数回反転して、水分が4%程度になるまで乾かします。(30分〜40分)

・手揉み流派には宇知太流、小笠揉切流、興津流、開進流、開頭流、川上流、教開流、青透流、青澄流、倉開流、田村流、などがあります。

*機械製茶


蒸機

・茶生葉の蒸し熱は茶製造の最初の作業で、その良否は茶の品質に決定的な影響を与えます。

・茶葉中の主として酸化酵素の活力を無くし緑色を保存し内容成分の溶出を促進する粗揉以後の揉む工程で、茶葉が壊れないよう、しなやかな蒸葉を作る為、豊富な蒸気で短時間に蒸す機械です。(30秒)

冷却機

・ 蒸された茶葉の表面の水分を取り除きながら冷まします。

粗揉機

・蒸器による蒸熱によって湿った茶葉を茶さばきしながら、機内に導いた熱風によって加熱し、圧迫と摩擦することによって蒸し葉の組織を柔らかくすると同時に水分を50%程度に蒸発させる機械です。(45分)

揉捻機

・茶葉をまとめ、緩やかに加圧、旋転することによって、茶葉各部の水分を均一にし、その組織を軟化し、こわすために使用する機械です。(20分)

中揉機

・揉捻操作で、茶葉内部の水分が染み出た熱風により乾燥し、撚れ形をつけ、外乾きしないで、平均に水分を蒸発させて、茶の品質、形状を整える為に使用する機械です。(40分)

再乾機

・揉捻機から取り出した茶葉を熱風により乾燥、整形に使用する機械です。

精揉機

・中揉機あるいは再乾機から取り出したある程度乾いた茶葉を間接的に加熱しながら、揉んでより伸ばし、煎茶独特の形を作る機械です。 ここで水分を75%程度減らします。(40分)

乾燥機

・精揉機から取り出した茶葉は11−13%の水分を含んでいるので、貯蔵に耐えるよう4−5%まで乾燥します。その間に熱で茶の香り、味を発揚する機械です。


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